うさぎの国を旅しました

〜 北ウェールズへGo! 〜
【1】
英国の中でも長い間ここは素敵だろう・・・と思い描きながら
中々行けなかった場所が
“北ウェールズ”

大好きなP・エリスさんの長いシリーズ
「修道士カドフェル」さんの故郷でもあり、
舞台になるシュルーズベリー(Shrewsbury)は
実はイングランド領で
ウェールズとの国境沿いの街
首都のカーディフはそれこそ何度も足を運んでいるけれど
この国ではもっとも南にあたります
その中で北はわずかにブレコン・ビーコン国立公園までは
訪れたことはあるけれど
その先へは進めず・・・いつかは行ってみたいと
常にガイドブックや知識だけは頭に詰め込んでいました
今回の旅ではカーディフから2泊3日の行程で
さて・・どこかこの国での小旅行、と思った時には迷わず
この北へGo!と勇んだのは言うまでもありませんでした
しかし・・肝心な時に大事な資料は手元になく
今まで詰め込んだわずかな情報だけで
最大の目的である
“スノードニア国立公園の登山列車に乗る”が
叶えられれば・・・という気持ちで出かけました
あとは“行き当たりばったり”の旅を楽しむこと![]()
久しぶりに昔の気持ち的にわくわくするような・・・
そんな小旅行になりました![]()
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【カナーフォン】
Caernafon B&B&Pub
現在ウェールズの国の中で
世界遺産に登録されているお城が4つあります
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| @ | Beaumaris Castle ボーマリス城 |
: | アングルシー島のボーマリスの街に1293年に建てられた、 エドワード1世が建造最後で最大の城壁建築 |
| A | Caernarfon Castle カナーフォン城 |
: | 1283年に約50年かけて造られ、1284年エドワード1世の子供が この城で誕生したことから、イングランドの皇太子は代々この城で 戴冠式を行い“プリンス・オブ・ウェールズ”と呼ばれる所以のお城 |
| B | Conwy Castle コンウェイ城 |
: | コンウェイ河の河口に8つの円柱塔を持ち、21の半円塔と 城壁の中世建築傑作と言われる頑強な城 |
| C | Harlech Castle ハーレック城 |
: | 頑丈なカンブリアの岩で造られたこの城は海を見下ろす崖の上に 聳えたっているが、昔は城の下まで海だったのではないかと 言われている |
このお城の中で2つを訪ねることができました、今回の旅
“プリンス・オブ・ウェールズ”のお城
カナーフォン城と
8つの円柱塔を持つお城
コンウェイ城です
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今回の旅での大きな目的は
ウェールズ誇るウェールズ1の高さを持つスノードニア山(標高1085m)を見ること
そして、スノードニア山への登山列車に乗ること
以前よりこの地域はアーサー王伝説や
ウェールズの神話が宿る、と言われている雄大な山岳地帯
その風景を自分の目で見たかった・・・・
そんな長年の思いを持って向かった先でもありました
この北ウェールズの近くの街、
イングランドのチェスターやリヴァプールへは何度か足を運んだものの
車での旅が困難な私は鉄道移動中心の移動の中で
この地域は比較的その鉄道路線が少ないことや
当然そのようなことからロンドンから向かうのも遠く、
長い移動時間がかかる地域でもあったので
今までそのようなことが原因で
なかなか足を運べなかった場所でもあったのです
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そうした中で今回の旅もいつもようにたった一人
移動手段が公共移動手段しかない私は
出発地点がカーディフということもあり、
先ずはこのスノードニア登山列車の玄関口
スランスベリス(Llangeris)へもいくことが可能であり、
また周辺の見所もある街を探しました
(可能な限り目的は一つでも“おまけ”が多いに越したことはありません)
その中で候補に挙げたのは
スランスベリスへもおそらくはバスで行けるであろう、
鉄道駅の最終地点とも思われるバンゴール(Bangor)と
その街からバスで行けるであろう、
カナーフォン(Caernafon)の2つの街を目的地に絞りました
*“あろう”というのは行ってみなければ解らない、という状態でした・・![]()
もちろん、最終目的地のスランスベリスも鉄道駅はありません
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観光案内所が充実しているこの国では
そのインフォメーションセンターがある限り
日本でのガイドブックに頼ることなく
目的地へ進むことが可能です
先ずはカーディフ駅早朝07:20発、
バンゴール到着11:41までの約4時間21分を
たっぷりと楽しみました
![]() 車窓から眺めるチェスターの街 |
![]() チェスター駅に到着 |
懐かしいチェスターの街へもカーディフから
乗り換えなく向かえることも驚くとともに懐かしさひとしおの街です
列車はこのチェスターの街を一旦入って、
再び戻るような形でウェールズの国へと向かいます
![]() アイリッシュ海に面した海沿いの街Prestatyn駅 ダブリンへ渡る港町Holyheadまで58マイル、 ロンドンまで205マイル半(約329km)との表示があります |
![]() ウェールズという国が本当に アイルランドと近いことを 気づかせてくれるアイリッシュ海 |
列車はこのままアイルランドへ渡るため
ダブリンへのフェリー発着港街でもある
アングレーシー島のホーリーヘッド(Holyhead)へ続く路線として
このアイリッシュ海に面してウェールズの国の最北を進みます
そうして、ホーリーヘッドまでの手前バンゴールで下車
(これ以上進むとスノードニアではなくアングレーシー島へ渡ってしまいます)
さて、ここからどうするか・・?としばし考えながら
列車の中で今までの自分の溜めたものを考え直してみて
思い出したのが・・・“カナーフォン城”
確か・・この街のこのお城はよく耳にする・・・
そんな記憶を辿ってバンゴール駅の窓口で
この街のツーリストインフォメーションの場所を訪ねると
この駅からちょっと距離がある様子
次ぎに尋ねたことは
カナーフォンまでのバス停が駅近くにあるか、どうか・・・
親切な駅員さんはすかさず
“駅を降りて左側に進めばすぐにバス停はあるよ!”
まだお昼前の時間
迷うことなく自分の記憶を信じて
カナーフォンまで進むことにしました
![]() 教えてくれたバス停は本当に駅から1分 バス停から臨むバンゴール駅 |
![]() カナーフォンへ向かう バスの停留場 |
駅前には1件のパブ兼宿屋を兼ねたお店しか見当たらず
街の中心はこの駅からちょっぴり離れた場所が賑やかなのだろうと・・・
おそらく鉄道駅が後からできた古い街でもあることがうかがい知れたけれど
逆に海に近いこともあり、
その海での行楽地になってしまう街の心配もありました
(個人的にそういう街は余り好きではないので・・・)

バンゴール駅前の1件のパブ兼宿屋
カナーフォン行きのバス時間も10分から20分間隔とまずまずだったので
今夜の宿を目指そうとバスを待ちました
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バンゴールからカナーフォンまでの路線バスは片道£2.40也
時間は約30分
バンゴールの街郊外にバスは進むと小高い丘を進みながら
何時の間にやら湾も見えてきて
地元のおじいちゃんやおばあちゃん、
学校帰りらしい小学生やらを乗せてのんびりカナーフォンの街に到着しました
ここがカナーフォンの街中だよ、と教えてくれたバスの運転手さんのいう
バス停で降りた場所はスーパーマーケットの裏手に辺り、
最も賑やかな商店街に面していました

スーパーマーケットの裏手のバス停
バスステーションなんだけれど・・・バス停がこの通りに連なっている、という感じ
バスを降りる人の流れに乗ったら・・
街の広場に出た!と思ったら
(そこがCastle Sq.,)
いきなり前方その広場の一角はカナーフォン城でした!

広場に面したカナーフォン城
標識に従うとお城の入り口前に小さなツーリストインフォメーションがありました
Caernarfon Tourist Information
そのカウンターでこの街の宿泊リストをもらい、
(コピー用紙に見やすく整理された宿泊リスト)
白髪のスタッフのおばあさんにこの街の中心に近いお薦めのB&Bを尋ねると
この通りにB&Bが並んでいるから好きなお宅を当たってみなさい、と
街の鳥瞰図マップをくれました
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この街は北側にメナイ(Menai)海峡を南側にはセイオント(Seiont)河を望む
城壁に囲まれた静かな小さな街です
中世の時代には早くもローマ人やノルマン人が
この地に城壁を造ったとされています
しかし、13世紀にウェールズを征服したエドワード1世により
ここカナーフォン城を築造
この時代イングランドのエドワード1世は
ウェールズを支配するべく
様々な場所へ遠征しては城を築き上げた王でもありました
その遠征中に同行させていた王妃が
この城でエドワード1世の跡継ぎ(すなわち長男)を出産したことにより
代々イングランド王室の王位継承者に挙げられる
“プリンス・オブ・ウェールズ”という称号もこの城から生まれることになりました
英国王室の跡継ぎは
この城の広場で王室の長男である皇太子の戴冠式があり
その後は“プリンス・オブ・ウェールズ”を名乗ることになります
ウェールズの人々から見れば未だに続くその戴冠式は
ウェールズの地でありながら
イングランドに征服された歴史を再び思い起こさせる行事でもあり
複雑な思いの地でもあるでしょう

城の城壁に溶け込む静かな街並み
インフォメーションのおばあちゃんの教えてくれた
B&Bは並ぶ通りは街のHigth St.,を渡ったChurch St.,
教会も見えないのにその名は・・?と思ったほど静かな住宅街の通り
しかし、歩いていくとその家並みの窓には見慣れた
“Vacancy”の札のかかった窓がちらほら・・・
その中でもAA4ッ星が掲げられたB&B
早速数段階段を上ったドアのベルを押してみました
しかし・・しばし待っても通りと同じく静かな物音一つしないドアの内側の様子に
何となくこの家に今晩は泊まりたい、と
私の頭が囁いている・・・
そんな思いで再びツーリスト・インフォメーションへ戻り
先ほどのおばあちゃんにリストからそのB&Bについて訳と希望を話すと
彼女は自分の手帳から
その宿のご主人へ電話をかけてくれました
そのお宿のおかみさん、サンディと繋がったらしく
私の希望を話してくれ、この街での滞在先が決まりました
(おばあちゃん曰く“サンディは今犬の散歩に出ていたの”)
そのお宿は
Caer Menai Guest House
Caer Menai Guest House - Bed & Breakfast Caernarfon
1泊朝食付きダブルベッドを1人使用トイレ・洗面台・シャワー付きのお部屋で£40.00
この街においては決してリーズナブルなお値段ではないけれど
私にはAA4ッ星
というのにとかく弱い!!
まあ、お宿も決まったし、と言うわけで
もう一つインフォメーションのおばあちゃんにやっと尋ねられたことは
この街でのお薦めのパブ(静かで美味しいパブ!)は?に
にっこりしながら、それはもう『Black boy』だわね!
ランチ場所も決まり、やっとその事務所を出ようとした時に
見送ってくれながら
“ちゃんと今晩はサンディの家へ行ってね、でないと私が殺されちゃうわ!”
その意味がその時は解らず、
笑ってお礼と手を振ってパブへ向かった道すがら・・・
彼女が心配した意味が何となく解ったのは
通り沿いにはいくつかの素敵なゲストハウスが
“本日空室あり”とレースカーテンの窓越しにいくつも誘われるように
立ち並んでいたからです



ついつい次ぎに来た時は・・なんて思ってしまいましたけれど・・・
でも、「4ッ星」はないわ、と気を取り直して
お薦めパブへ向かいました
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すっかりと腹ペコの私は足早になる
Black Boy

インフォメーションお薦めのパブ ブラック・ボーイ
田舎に行ってみて、本当に良かったな〜とつくづく思うのは
素敵な古いゆったりとした椅子のパブに巡り逢えたとき
![]() Pubの看板 |
Pub Black boyの入り口 |
正しくこの“ブラック・ボーイ”は私の大好きな居心地の良いパブ![]()

このパブの名前の由来である暖炉脇の“Black boy”
右側は暖炉 左奥がカウンターになっている
天井が低くて、窓があり、大きな梁が通っていて、暖炉があって暖かく、
地元の親父が静かに飲んでいる・・・
久しぶりにこの旅の中で1番寛げた場所かもしれません![]()
外国人のしかも女性が1人で入っても気持ちよく挨拶してくれる
カウンターのスタッフほど心強い味方はなく
安心してこの中で自分の居場所をみつけることができました
窓を背に暖炉横の2人掛けソファーが空いていたので
そこにリュックを置き、
お財布を持ってカウンターで、先ずがハーフパイントの黒ビターです
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![]() ダブルベッドを1人使用 気持ちの良いベッド |
![]() 窓の下は中庭 チェストの上のティーセット |
![]() 部屋の隅の清潔な洗面台とベッドに向けられたテレビ |
![]() シャワールームのトイレ |


![]() 朝食のテーブルセッティング すっきりとした黒のテーブルと生花 |
![]() 朝食のメニューブック こちらから選べます |
![]() 私の選んだマッシュルーム、トマト&目玉焼き フルだとこれにベーコン、ソーセージ、ビーンズ |
![]() パンもホワイトか、ブラウンか、 コーンフレークももちろん各種類あり |
![]() 上:ブラック・ボーイの全体 パブの2階とL字型の宿泊部屋バスルームは共同 右:ゲストハウスの全体 部屋数は全部で7部屋全室トイレ・シャワー付き |
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